左の翼...

  • 2017.04.17 Monday
  • 20:57

時間は人を変える。
それはそれは残酷なまでにアンチに旋回させるのだ。

 

薄暗いジャズ喫茶で珈琲と煙草の日々。
狂ったような大音量が紫の煙を揺らす。
左の翼は時に静かなインテリであり、
時に正義の名をかざすバイオレンス集団だった。

 

議論が飯より好物で
誰かれとなく喧嘩をふっかけ
自分の考える正論という恐怖を押し付ける。

 

始末に負えない偏った思想は
音楽さえ標的にする。
売れたものを大衆迎合とこき下ろす。

 

邪悪に昇華された理念は
難解なものほど傑作と評価する。
自分は一般大衆と違い特別な感性があると...

他人を見下すことに関しては一流の翼。

 

革命、革命、革命
抑圧された労働者階級よ
資本家、ブルジョワを打倒せよと煽動するが
自分自身は特別階級である。

 

見下している底辺労働者階級を動かす矛盾。
熱にうなされた左の翼の季節は
真っ白な雪に残された鮮血の中で終わりを迎えた。


先日、本屋で「二十歳の原点」が平積みされてて
まだ売れてるんだと驚いた。
左の季節に自殺した女性の日記。


昔、読んだ時切なくなったのを憶えてる。

思想は関係ないと思う。
今の時代にもある孤独感の中で
二十歳にして生きることに疲れた女性の独り言。

 


存命なら68歳くらいか...

美しいまま、永遠の二十歳。
自分みたいに無駄に長生きするより
生きた証を残してる...

 

 

一瞬のための自由が欲しい...

  • 2017.04.08 Saturday
  • 20:04

「結婚して子どもを育てると人間的に成長できると思う」
「そうか?」

 

「職場に独身でキャリアウーマンの人おるねん」
「うん」

 

「あの人、幸せそうに見えんて職場のおばちゃん言ってたわ」
「それは違うで、偏見や」

 

「何のために生きてきたかわからんし、私はあんなふうになりたくない」
「そう思うのはお前の勝手だけど、デリカシーがないわ」


「そもそも結婚して子どもがいたってクズはたくさんいる」
「結婚してなくても、子どもがいなくても立派な人はいくらでもいる」

「残虐な独裁者たちはたくさん子どもがいるけど人間のクズばかりだろ?」
「犯罪者もそうだ。決めつけはあかんで」

 

年齢を重ね時間のなさを感じた娘は
焦りと余裕の無さから

おばちゃんたちの醜い言葉に翻弄され
自分を見失い人を思いやる気持ちを失っている。
周囲の影響というのは恐ろしいものだ。

 

自分は結婚もし、子どもを育てたりもしたけど
全然成長しない屑みたいな輩だ。


最初から独身だった人に比べ
孤独に耐性がなく弱い人間だと思う。
それは離婚してからより、娘の巣立ちでものすごく感じたことだ。

 

なにもかもがアバウトで
それが人を深く傷つけることに気付かなかった。
孤独になって初めてわかる。
でも今もきっと誰かを傷つけてる。

 

自分がMにしてきた中途半端な優しさもそう。
良かれと思って助けてきてきたことも
時間を引き延ばすだけの結果になってしまった。

 

あの時突き放していればMのためにもなったと今更ながらに思う。
自分は彼女の罵詈雑言に耐えればそれでよかったんだけど...
結局それが怖くて自分の身を守ってしまった。

 

長い長い月日が流れた。
大金を積んでも取り戻せない時間。
失った時間は金では買えない。
金で買えないものが世の中にはあるということだ。

 


いつまで生きれるかわからないのなら

この一瞬のために自由になりたいと思う...

 

 

削られた感受性...

  • 2017.04.02 Sunday
  • 17:24

ずっとデジャヴの中で生きてる。
来る日も来る日も同じ。

 

記憶が所々で飛んでるんだけど
感じた覚えのある光景
不思議な感覚が支配してる。

 

仕事は辛い。
でも休日の孤独はもっと辛い。
仕事の辛さが寂しさや疎外感を皮肉にも忘れさせてくれる。
でもほんとはもう辞めてしまいたい。

 

集中しなければ出来ないことを毎日してる。
この余裕のなさが余計な煩悩を排除する。
感性が研ぎ澄まされてる時って
たいがい暇な時間を持て余してる無職の期間。

 

多忙を極めてる間は
敏感に張りつめた感性の触覚というか棘みたいものが削られて
思いやりのない無機質な人間になっている。

 

社会に出る前の娘は言い知れぬ不安を
鋭い感受性の中に閉じ込め
仕事やそこにある人間関係を怖がった。

 

「一生、子どもでいたい」と...

 

あの頃は現在の娘の成長など考えもしなかった。
一歩踏み出す勇気がひとりの人間をここまで変える。
そのかわり昔の涙もろく、人の痛みを思える姿はない。
社会という鑢で感受性の棘を削られてしまった。

 

 

北国にも桜が咲き、そして散る
その後、大好きな葉桜の季節。
あの感受性を取り戻すために
すべてを終わりにしたいと思う今日この頃...

 

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