アドルフに告ぐ

  • 2008.02.24 Sunday
  • 09:57
手塚治虫の「アドルフに告ぐ」全巻を読み終えた。

題名は知っていたがこれほどの傑作とは。。。
独裁者であるワンマン社長の心理が良くわかる。

この場合ヒトラーという狂気の独裁者をモチーフにしているが、世の経営者全員にそれは当てはまる。
社長は誰も信じない。業績が傾けば社員をクズ扱いし、怒鳴りつける。

自分の描いたシナリオが崩れると社長は発狂する。
疑心暗鬼から英雄のロンメル将軍さえヒトラーは殺してしまう。アフリカ戦線の英雄はヒトラーに対して助言もした。
しかし助言とは独裁者にとっては自分を否定されることに等しい。

必然的に誰一人真実を伝えなくなり、経営者の周りにはイエスマンしかいなくなる。
それはある意味仕方のない事なのかもしれない。真実とは彼らにとって耳に入れたくないものであって、頭の中でわかっていても部下から指摘されたくないもの。

結果、助言した人間は粛清され裏切り者の烙印まで押される。
心が狭く人を信じる事が出来ない人種が独裁者であり、社長なのだ。

その孤独の闇は深くとほうもなく暗い。
小さな器しか持っていないのに大きな器を演じてる。そして自分に暗示をかけ自己正当化していく。西武の堤元会長、ダイエー創業者中内氏、その他諸々の中小オーナー社長皆同じだ。

ほとんどの人間にある感情がたまたま独裁者なり社長なりの立場になっているだけで、誰しもがそうなる可能性は否定出来ない。

しかしこれが国家レベルの話になると非常に危険だ。

民主的な世の中が続くけばいいのだが。。。


貯蓄リスク

  • 2008.02.24 Sunday
  • 00:32
前々回の記事で貯蓄におけるインフレリスクに触れたが、どうやらそれは現実味を帯びて来たようだ。
それもたちの悪いものとして。。。

通帳を見ても数字は減っていない。元本が保証されてるから当たり前だ。しかし物価上昇により通貨の価値は確実に下がっている。

簡単な例で言えばガソリン。リッター125円が155円になった。
1550万円の貯蓄があるとしよう。しかしそれは以前の1250万円の価値しかない。

投資してるわけでもないのに300万円もの含み損を抱えてる。
貯蓄は投資よりも安全かと問われれば疑問符がつく。

高度成長期と違い、物価上昇に賃金上昇が追いつかない。それどころか賃金切り下げでスタグフレーション突入だ。

市場は半年先を織り込むと言うが、明日の事すらわからない。それが現実だ。

マネー雑誌では胡散臭い評論家が推奨銘柄を解説したり、株式ゲームバトルで編集者をこき下ろしている。
他人をこき下ろす前にあんたのパフォーマンスを見せてくれと思う。

こういう人間に限って儲けれない。
後付けで理論展開するなんて素人でも出来る。

雑誌は売れさえしたらいいわけでこういった人間の需要は衰えないんだろう。

暗い時代の幕開けにならない事を祈ろう。

懐かしい匂い

  • 2008.02.20 Wednesday
  • 22:10

街の喧騒から逃れるように入ったジャズ喫茶。

何年ぶりだろう?
ここは昔、愛した人と通っていた場所に似ている。

消えてしまった店の幻を見ているかのようだ。
ELLAの唄をDUKE・ELLINGTONが楽しそうに聴いている。
ランプの下に貼られたポスターが在りし日の自分たちを思い出させてくれる。

店に響くベースの音が懐かしい。
ドラムのブラッシングもまさしくモダンジャズだ。

「ずっと見てるから照れるよ」

「いいの!顔見てるだけで幸せ」

テーブルの上でずっと両手を握りしめてたっけ。
周りの目なんて気にならなかった。

遠い遠い過去
十代の二人の夏の恋は次の年の春を待たずに終わった。

店にはソニーロリンズが流れてる。

あの日と同じように。。。

確定申告

  • 2008.02.19 Tuesday
  • 20:32
確定申告に行って来た。過去に比べだいぶん簡略化しているとは言えやはり面倒だ。株式譲渡益課税は過去の源泉分離に戻し、配当課税は二重課税なので廃止すべきだろう。

市場に資金が流れ込みやすい環境を作るほうが金利を下げるよりはるかに効果的だ。

こんなことを書けば金持ち優遇ととられそうだが、年金や保険の運用益が下がり実体経済に悪影響を及ぼせば失業率も高くなり、元も子もなくなる。

間接的にはほとんどの国民が株式市場に参加しているのにまるで人ごとだ。

郵便局で投信が売られてる時代。
素人の郵便局員が今の損失を顧客にどう説明しているのか興味がある。

思えば不思議だ。これだけリスクを嫌う国民がマンションなどのハイリスク商品をあっさりと買ってしまう。

そして超ハイリスクともいえる結婚も簡単に決める。
もちろん成長株の男を捕まえればハイリターンをもたらすが。。。

年齢が高くなれば成長は見込めないので、安定株の男を買うしかないが、もはや高値で手が出ない。
買いたい時に相手がいない売りたい時には自分の価値が下がってる。

人生も市場も同じだ。

貯金もインフレリスクがある。
待っているだけでは道は開けない。



ダントーホールディングス5337

  • 2008.02.11 Monday
  • 20:15
ダントーホールディングス5337。
ここも下げがキツい。往年の仕手株であり、また高配当で個人にも人気のあった株だが、その神話も崩れ落ちた。


数年前からずっと業績不信が続いていたにもかかわらず2005年を除き15円配当を続けてきた。
本来、配当とは会社が利益を出した時の分け前なのだが、赤字でも出し続けるというのはどういう事なのだろう?
今まで蓄積してきた金を切り崩してまで出さなくてはいけないものなのか?

結果財務体質は脆弱化する。
今年度はさすがに大幅な減配に踏み切ったが、それで正解だろう。本来は無配でなくてはおかしいのだが。。。


株は当然のごとく売り浴びせられて100円台になっている。しかしここからは大きなチャンスかもしれないと考えている。

この会社の財務体質は優良で過去に稼いだ金をかなり蓄えている。
現金同等物が100億円以上あり、有利子負債はそれを下回る。実質無借金なのだ。

時価総額は50億円台と信じられないほど割安。
浮動株は56パーセントもあり、すぐに買い占められそうなくらいだ。

たった3000万の発行済株式数。
目先の業績は最悪だが、きっかけ次第で暴騰する可能性はなきにしもあらずか。

注目しておこう。

ヤラセ

  • 2008.02.09 Saturday
  • 06:03
世の中、全てがヤラセである。それがどんなに偶然に見えても。。。

今から4年前、ある大手新聞社からの取材を受けた。それは2日間連続の大きな記事になった。取材は毎日深夜に及び、発言の裏づけも慎重に調査され、2週間テープも回りっぱなしだった。

その時はさすがに大手新聞だと思った。嘘を書いては法的にまずい。
しかし、真摯に話した内容は記者の描くストーリーの中に埋没してしまった。

そう彼等マスコミは最初から売れるシナリオを書いているのだ。
自分の場合、ちょうど彼等のツボにハマりお涙頂戴一丁出来上がりだった。

読んでいてわかったがマスコミはあらかじめストーリーを作り、対象となる人物を()付き問題のように当てはめてるだけ。

大半の読者は大手新聞の記事であるがため真に受けヤラセを疑わない。

取材の過程で写真も撮られた。記者がデスクにそれを送信。すると「記事のイメージに合わない、もっと同情をひくようなアングルで撮り直してくれ!」

自分は何度もポーズを取らされ最後に一番情けないうなだれた後ろ姿が決定。
記者の最後の言葉が忘れられない。

「我々も正直、商売ですからね、売れる記事でないと」

内容は労働問題と政治情勢を絡ませた社会的告発だったが、実態はこれである。
いい勉強にはなったがマスコミに対する不信感を持つきっかけにもなった。


テレビや新聞で報道されてる特集などは話半分で見るくらいがいいだろう。



共産主義

  • 2008.02.02 Saturday
  • 11:06
貧富なき平等な社会を実現させようとする壮大な実験が20世紀におこなわれた。

言わずとしれた共産主義革命である。
それはロシアを口火にして中国などに拡大していった。

マルクス理論をレーニンが応用実践し毛沢東に至る。
東欧諸国、ベトナム、キューバ、北朝鮮。そして文化大革命に影響されたカンボジア。

今も共産主義の残骸は残っているがほとんどの国は資本主義に転換してしまった。中国共産主義は形骸化し市場主義経済なる矛盾した国家運営をしている。ロシアは資源大国として世界中から金を集め資本主義を謳歌。


ユートピア思想は完全に崩れ去った。
人間の持つ煩悩を許さない共産主義は内部矛盾を露呈し、残酷な人権侵害を繰り返すことになる。レーニン、スターリン、毛沢東、ポル・ポト、金親子などの国家指導者は殺戮を繰り返す。

監獄の中の平等、それこそが共産主義の正体だったのだ。


格差社会は資本主義の行き過ぎた面を表しているが、自由のない社会よりははるかにましだ。

格差をなくそうとすればクメール・ルージュのように通貨自体を廃止すればいい。金持ちも貧乏人もいなくなる。

しかし

そこには強制労働と抑圧された残虐な世界しかない。

資本主義

  • 2008.02.01 Friday
  • 21:49
最近報道されてる名前だけの管理職。
日本マクドナルドにおける残業代無払いは氷山の一角だろう。

どこも似たり寄ったりのことをしている。理屈にもならない理屈を並べ単なる従業員を経営陣の一部だとのうのうと言ってのける。
この裁判はまだ終わらないが、酷い労働をさせるものだ。

産業革命の頃の原始資本主義とでも説明すれば納得がいくか。
資本家がいて奴隷階級の労働者を酷使する。今の修正資本主義は度重なる血を流し労働者が権利を獲得したもの。しかし考えてみると何も変わっていない。

彼の後に続く人間が必要だ。それも多数が立ち上がって初めて企業も恐れをなす。我が身可愛さ、生活を考え不満ながらも働き続ける人がほとんどだと思うがそれこそ奴隷根性だ。

前にもブログで書いたが「会社は誰のものか?」

またはっきり言い切ってしまおう。法律に書いてある通り、株主のものである。
出勤も退社時間も自由なのは大株主だけ。まあその前にそんな仕事はしてないと思うが。

経営陣と同じ発想になるのは株主だ。
古典的に言えば会社を立ち上げる時の共同出資者が株主であり資本家なのだ。

今の株主は昔の権利を金を払い譲渡してもらってるだけなのだが。。。
社員にかかるコスト増が予想されれば株価は下がる。逆なら上がる。

株価が会社の成績になるため、株主ばかりに目がいく。
現場で死ぬような思いで働いている人は浮かばれない。。。





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